6月は授業公開週間です(その3)

2年生 英語の西崎先生の授業です。

クロームブックの活用、ポピュラーソングを使った英語の授業、目新しさ満載の授業を紹介します。

授業の最初はクロームブックを使って単語のテスト、 あっという間に採点をして生徒へ返却。生徒も昨年からの取組なので手慣れた様子でやっていました。

      提出されたノート

その後、予習の状況のノートを写真に撮って提出します。西崎先生は、時々、ノート点検を抜き打ちで実施し、生徒の普段の状況を確認しています。クロームブックのトラブルがあった生徒への対応も西崎先生は手慣れたものでした。生徒も昨年からやっている方法なので随分と慣れたものです。


提出されたノート ↓↓

中間考査後の授業で、新しい内容です。授業でもICTを活用した授業、現在起きている世界の状況や世の中の状況も触れる授業、ペアワークも取り入れる授業、さらに、常に英語の活用を意識した授業です。

生徒が発言すると、生徒の机に行き、記録の判子をノートに押す、これも日頃の授業中の様子を評価する方法として、その場で判子を押し、ノート提出時にその数を数える。どれだけ発言をしたか、生徒の主体性を生む授業です。

西崎先生は、英語の歌を授業に取り入れ、英語の歌で言い回しや文法などを教えています。

6月の新曲はビリージョエル 「honesty」。この授業は歌の上手い下手でなく、発音が正しいかどうか、声が出ているかどうかを見ていると生徒に伝えています。聞いて歌うだけでなく、1フレーズごとに一緒に歌いながら、歌い方や発音の指導も行われています。接触節の復習として「thatの省略がある、どこかわかるか」、関係代名詞whatの語順の復習など、文法事項も確認していました。


生徒も熱心にメモをとっていました ↓↓

生徒の声

「英語の歌を取り入れた授業は、リズムで英語が覚えられるので大変好きな授業です。」

6月は授業公開週間です(その2)

1年生 情報Ⅰ 青井先生の授業です。

「問題解決」についての実習で、テーマは「コロナ禍での修学旅行プランの作成」。

1人1台の端末を使い、Jamboard(ホワイトボードアプリ)上で互いの考えを出しながら、グループごとに提案に向けて議論を深めていく活動。本時はその2回目(下記②~③)。

<活動>

①問題の発見…ボード上に、理想・現実の両面から洗い出していった「付箋」が並び、班員の協働によりどんどん視点が広がっていく。

②問題の分析…現実を踏まえて、理想の旅行を実現するために何が問題か?どの希望を優先するのか?などを考え、①の内容を整理・統合していく。

③解決策の提案…実際の修学旅行プランについて相談し、根拠や狙いなどを含めた提案を行う。

先生は、活動の流れや留意点、時間設定などを要領よく伝えた後、グループでの話し合いを促す。

発表イメージを持たせるために「例えば、私の作ったプランは・・・」と例示も加えた。

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教室内のグループを巡回しながら問いかけや助言を絶やさない。

「(話し合いは)どんな感じかな?」 「さっきの話はどうなった?」

「何かもっと理想が出てこない?」 「優先したいことはどれなの?」

など、停滞しそうな話し合いには刺激を与える。

話し合いが進んでいくと、より議論を深めさせたり、発表を意識させたりする助言を続ける。

「この部分、例えばどんなふうに?」 「それいいね!そこから発展させていったら?」

「そうしたい・・なら、どうやって実現する?」 「(伝えるための)5W IHが入ってる?」

生徒は端末に向かうばかりでなく、グループ内で活発に意見交換をし、発表準備を進めていく。

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  「あと○分だから、そろそろ△△できてる?」 「○分後に発表できるように、準備大丈夫?」

45分間で、指示・例示から協働活動、発表、振り返りまで行う時間管理、これがかなり重要。

発表前には、コンピュータ室設置のデスクトップ画面に「評価表」を映し出し、身につけさせたい発表スキルを示す。各グループ代表者が自分のChromebookからキャストして教室前方で30秒程度ずつのプレゼンテーションを行った。どのグループからも、分析に基づいた面白い提案がなされる。

発表の一部 「私たちは○○をしたいという理由から、□□を提案します…」

      「生徒の日頃の行いによって自由時間の扱いが変わり、先生がついてこない班も…」

      「コロナでも楽しめるための貸し切り状態プランを…」

      「無人島なら…」 「手ぶらで手軽に行き帰りできる…」 「キャンプで…」

発表が終わるごとに、先生は「評価表」に○を付けて発表者に渡し、グループ内で共有するよう指示。

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全グループの発表が終わり、Classroomに配信されたGoogleFormsから、各自で振り返りを入力て本時の活動を締めくくった。

6月は授業公開週間です(その1)

2年生 国語(古文)の絹田先生の授業です。

「隣の人と対話をして学びを深める授業」を紹介します。

自分の答えを人と比較することで気づきが生まれます。教室のあちこちで、「ああ、そういうこと!」という声が聞こえました。

先生は、「左の人、どうぞ」「右の人、どうぞ」「根拠は?文法書を調べて」と、いいタイミングで声をかけます。 伝える、調べる、考える 常に動きのある授業です。

 絹田先生 「自分でも思いもよらない気づきで友達に気づかせてあげられています」

さらに、先生は 「この助動詞、3年に1回は共通テストに出ていたよ」「来週の実力テストの文法問題頑張って」 と、中核の2年生、進学に向けての意識付けも行っていました。

古文の用法では、助動詞「に」の下には動詞「あり」がくる。このことを先生は、

「『に』の所に蟻の絵を描いてごらん。蟻の足は何本?」と、生活に密着した声かけもありました。

 絹田先生「ひたすら板書を写す。ただ覚えるのではなく楽しくやったら自然と生徒は覚えています」

余談  昆虫(節足動物)は、頭・胸・腹からなります。胸から6本の足があります。

「文法の確認したいなら『シルキィ先生』の動画を見てよ」と、タブレットの活用も促していました。

  絹田先生「家で、自分のタイミングやスピードで学べる工夫をしています」

生徒の声

  以前に習ったことを使えるようになるから頭が良くなる実感があります

  古文の難しい訳も、対話をすることで学びが深まります 

  人に説明することで理解が深まるし、自信も持てます

授業の最後に、こんな授業は学びが深まるかと手を挙げさせました。

ほぼ全員が手を挙げていました。   

                            

<以下、絹田先生からのメッセージです>

瀬戸高は、助動詞だって楽しいんだ!

助動詞から「音」が聞こえてくる&古文に「蟻」がいる

対話と気づきで学びを深める

楽しい「気づき」が主体的な学びをもたらす

⑴ 既習の内容や辞書の知識を使う

(定期考査で使えなかった失敗体験があり、来週の実力考査では使ってみたいという意欲がある・という仕掛け)

   失敗してるからやる気満々!今度こそって思う!

み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒く衣打つなり

・「ふるさと」=①旧都・古都②生まれ故郷③古いなじみの土地

 だいたい何も考えず②故郷というけれど、辞書を引くと4月に習った語句であるこ とを思い出す。対話をするうちに「吉野」が 離宮のある土地との知識から①を選 ぶ

・「なり」

 「砧」=槌で布を打って布のつやをだしたり柔らかくするのに用いる木や石の台。  また布を打つことやその音。

 「砧」を辞書で確認し、助動詞の説明プリントを使って対話しているうちに「音」 を根拠に「推定」するとの気づきから「らしい」「聞こえてくる」という訳にたど りつく

 

⑵断定の助動詞「なり」の連用形

(助動詞は手も足も出ない、からの脱出!鮮やかに印象に残す。

 そのインパクトは、その生徒の体験に入り込むから次回の本文に出てきたら使える仕掛け)

理屈じゃない!インパクトがあるから自然と覚えられるんだ!

よき方の風なり。悪き方の風にあらず。

 ・断定の助動詞「なり」の連用形の下には「蟻」がいる。「蟻の脚を書き込もう!」

   知らず知らず「~で」と訳してるよ。

「にやあらむ」の形でもよく出るよ~「にやあらむ」を10回言ってみよう。

  「にやあらむ・にやあらむ・にやあらむ・にやあらむ・にやあらむ・・・」

    授業中に覚えてしまうから大丈夫!

対話って言葉を発してアウトプットするから 
①「自分のアウトプットが役に立つんだ」 (自己肯定感・有能感) 
②「お互いに思いがけない気づきがあるんだ」 (協働する楽しさ・協調・コラボ) 
③アウトプットを間違えたら「ちゃんとしなきゃ」って思うんだ (責任感) 
④いつもやるから「失敗しても大丈夫って思うんだ」 (安心感) 
⑤自分の言葉で説明するし、繰り返し声に出すから覚えやすいよ (頭が良くなる実感・点数アップ)

「瀬戸(OKAYAMA)新しい学びプロジェクト~Seto Blue Waves~」の総括会議をオンラインで行いました。

 瀬戸高では,東備学区の中学校と連携して,授業改善の取組を行うプロジェクトを昨年から立ち上げています。これは,東京大学CoREF(教育支援コンソーシアム推進機構)が進める「知識構成型ジグソー法」という授業手法の研究・普及を自治体と協働で推進する「新しい学びプロジェクト」に賛同し発足させたものです。高校や中学校での学びを,全員が主体的に生き生きと参加し深めることができる授業スタイルとして注目されています。
 2月1日(火)には,オンラインで令和3年度の総括会議を行いました。地域の中学校や瀬戸高の先生から授業実践の報告や意見交換を行い,東京大学CoREFからは主任研究員である飯窪真也先生をお招きして指導助言をいただきました。コロナ禍で集合開催はなりませんでしたが,有意義な会となりました。  
 東備地区の中学生の皆さん。次世代の新しい授業で楽しく学びを深めましょう!

東京大学と連携した研究授業を行いました

7月15日(水) 1年生の数学と2年生の国語(現代文)において、今年度初めての公開授業を行いました。瀬戸高では昨年度から、東京大学CoREF(※)と連携した「新しい学びプロジェクト」という全国的な研究組織に加盟しています。これは、東京大学で研究されている「知識構成型ジグソー法」という授業法による協調学習の実践を研究するプロジェクトです。新学習指導要領の軸となる「主体的・対話的で深い学び」につながる取組で、今年度は地域の中学校や岡山県の高校にも輪を広げるため、授業を公開しました。
 2時間目の数学では、2次関数を題材に、大きな問いを3つの要素に分けてそれぞれをエキスパートチームで考え、その結果を各グループに持ち帰り統合して大きな問いの解決にあたるという、まさにジグソーパズルを組み立てていくような授業展開でした。仲間と気づきを共有しながら解決に向かうこの学習は、主体的・対話的で深い学びにつながっていくものでした。
 3・4時間目は現代文の授業でした。「プレゼンテーションをつくる」ことを目標として、思考ツールを使いながら、エキスパートセッションでの議論から各グループでの共有と整理、そしてプレゼンへの表現、と流れていく展開でした。生徒も試行錯誤を繰り返しながら、自分の思考を整理し、言葉にしていく過程が、「思考力・判断力・表現力」をしっかりと養う学びにつながっていました。
 当日の授業は、新しい試みとして、オンラインでも参観できました。定点カメラと移動カメラの2台を使って中継し、臨場感が伝わったと好評でした。

※東京大学大学総合教育センター・大学発教育支援コンソーシアム推進機構
 (Consortium for Renovating Education of the Future)

山陽新聞 7月17日掲載