真夏のセト☆フェス

8月5日,瀬戸高校では令和2年度の総合的な学習・探究の時間の成果発表として,真夏のセト☆フェス「自走! withコロナ」を開催しました。コロナウィルスの感染拡大に伴い,今回はオンライン方式も併用して行いました。時程は下記のとおりです。

  • 13:00~13:20 開会行事
  • 13:30~14:20 第1部 発表会
  • 14:30~15:30 第2部 発表会・講演会
  • 15:30~16:00 閉会行事(担当者リフレクション)

開会行事では,県教育庁より籾井正伸指導主事に御挨拶をいただき,本校指導教諭・キャリアコンシェルジュ・指導教諭の絹田が「『探究を考える』工夫と課題」,と題して本活動の目的や概要,展望等について説明し,会のご案内をさせていただきました。

第1部の発表会では,1年生が出身中学校別のチームに分かれて,各ホームルーム教室で地域の課題について調べたことをプレゼンしました。御覧くださった地域の方々は感激され,生徒たちが使った資料やシンキングツールを実際に見たい,あるいは持ち帰りたい,という,大変嬉しい御感想をいただきました。

発表の様子①
発表の様子②

第2部の発表会では,3年生の女子生徒が,「ポーチとヘアバンドと傷ついた私」,男子生徒が「データから感じた『楽しさ』」というタイトルで代表セッション発表を行いました。岡山大学グローバルディスカバリー准教授・山本由美子氏,同大学院教育学研究科・特任教授・赤木恭吾氏より,今後の糧となるコメントをいただき,また地域の方々から「1年生から3年生への変容が素晴らしい」とお褒めの言葉をいただきました。

閉会行事における担当者リフレクションでは,文部科学省科学技術・学術総括官の合田哲雄氏より,

「時代の歯車を回すのは,筋の通った変わり者」

と題して御講演をいただき,その中で次のようなアドバイスをいただきました。

「今の時代は予測不可能であると言われている。高校生のみなさんに,将来こうなる,と示すことはできない。ただ,方向性は見えていて,AIがどんどん発達していくだろう。しかしAIは,文章を理解して,文脈を汲み取って行動することはできない。だからこそ,私たちは理解する力をつけ,コミュニケーションを取ることを学んでおかなければならない。3年生は自分の意見をしっかりと述べることができていた。少し変わっている,と言われても,やり続けることが必要。」

3年生2人には,貴重なアドバイスとなったことは間違いありません。今後の活躍に期待をしています。

講演の様子

当日本校まで足を運んでくださいました皆様,またオンラインで御参加くださいました皆様をはじめ,お世話になった地域の皆様に,この場を借りて厚く御礼申し上げます。今後とも瀬戸高校をよろしくお願い申し上げますとともに,本校の教育活動に一層の御理解と御協力を賜りますよう,重ねてお願い申し上げます。

備前焼づくりに挑戦しました。

7月30日(木)に「ひたぶるタイム」(総合的な探究の時間)の「S☆ラボ」(2年生)でチームを組む3名が,備前市の岡山県立備前緑陽高校を訪問し,備前焼の作陶に挑戦しました。このチームはSDGsの11番(都市)と12番(生産・消費)をテーマとして探究学習に取り組んでおり,世界的に有名な備前焼と東区の卵で作ったプリンを合わせて特産化できないかと試行錯誤しています。そこで,備前市にある同校にお願いしたところ快諾いただき,今回の作陶体験が実現しました。同校の今井直子先生に御指導いただき,説明の後に粘土から容器づくりにチャレンジしましたが,なかなかうまくいかず,あっという間に時間が過ぎました。何とか一つが形になり,今後焼き上げていただけるとのことで完成が楽しみです!

「真夏のセト☆フェス」に向けて頑張っています。

8月5日(水)に予定されている「真夏のセト☆フェス」。これは1年生の総合的な探究の時間のイベントで、6月に市役所や町役場、地域センター等の行政担当の方々から聞き取った地域の課題に対して、各出身地域のグループで考えた課題解決のための提案を行う発表会です。例年ならば地域の方をお招きして行うのが通例ですが、今年はオンラインで行う予定になっています。
 現在は、本番に向けて、各グループが発表原稿の作成を行っているところです。みんなで協力して考えていくことで、地域の課題を自分達の視点で主体的に考えることができるようになっていきます。
 どんな発表になるか楽しみですね!

東京大学と連携した研究授業を行いました

7月15日(水) 1年生の数学と2年生の国語(現代文)において、今年度初めての公開授業を行いました。瀬戸高では昨年度から、東京大学CoREF(※)と連携した「新しい学びプロジェクト」という全国的な研究組織に加盟しています。これは、東京大学で研究されている「知識構成型ジグソー法」という授業法による協調学習の実践を研究するプロジェクトです。新学習指導要領の軸となる「主体的・対話的で深い学び」につながる取組で、今年度は地域の中学校や岡山県の高校にも輪を広げるため、授業を公開しました。
 2時間目の数学では、2次関数を題材に、大きな問いを3つの要素に分けてそれぞれをエキスパートチームで考え、その結果を各グループに持ち帰り統合して大きな問いの解決にあたるという、まさにジグソーパズルを組み立てていくような授業展開でした。仲間と気づきを共有しながら解決に向かうこの学習は、主体的・対話的で深い学びにつながっていくものでした。
 3・4時間目は現代文の授業でした。「プレゼンテーションをつくる」ことを目標として、思考ツールを使いながら、エキスパートセッションでの議論から各グループでの共有と整理、そしてプレゼンへの表現、と流れていく展開でした。生徒も試行錯誤を繰り返しながら、自分の思考を整理し、言葉にしていく過程が、「思考力・判断力・表現力」をしっかりと養う学びにつながっていました。
 当日の授業は、新しい試みとして、オンラインでも参観できました。定点カメラと移動カメラの2台を使って中継し、臨場感が伝わったと好評でした。

※東京大学大学総合教育センター・大学発教育支援コンソーシアム推進機構
 (Consortium for Renovating Education of the Future)

山陽新聞 7月17日掲載