主権者教育

2月14日(金)6.7限目に本校1年生を対象に主権者教育を行いました。                

テーマは昨年と同じ「請願を通した政治参加」です。  

「請願権」についてはすでに地歴科目「現代社会」で学んでいましたが、今回より深く学習しました。主権者意識を高めるために、自分たちに最も身近な権利であることをまず知るところから入りました。請願は人類に普遍的な行為であることをその歴史から知り、それは憲法にも明記されていることを学習しました。  

この時間では、本校地歴科教諭の則武の講義を聴き、その後請願書を完成させる班別学習をおこないました。ほぼ実際に使用されている書式を使い、班ごとに意見交換しながら請願書をまとめていきました。実際にどういった形で要望を書くのか、またどういった手続きが必要なのかなども助言されながら真剣にまとめていました。

請願書を書くといっても生徒にとっては簡単ではありません。まず、請願内容を絞り込むこと、その過程から地域の請願としての妥当性を判断すること、またそれに対する具体的な解決策を考えることに時間が割かれました。次に実際に文字におこす過程で説得力あることばや論法の必要性など今まであまり考えたことのない未知の問題に直面し、右往左往する場面もありました。

半年にわたって取り組んだ地域の魅力と課題を見つける取り組み(セト☆ラボ)の延長で行われたこともあり、地域の担い手としての自覚を芽生えさせる効果があったと感じられました。 以下、「振り返りシート」と「請願書」について生徒が書いたものを掲載いたします

 〇「振り返りシート」から

・昔も今も請願するやり方が暴動やデモなどの直接行動だけではなく、この権利は民意を伝える最も身近な手段でもあることが分かった。  

・請願権の現状について知ることができた。請願をしても受け入れてくれないケースもあるとはじめて知った。  

・地域の問題点はすぐに見つけることができたが、その解決策などはすぐには考えることができなかった。これからは解決策もすぐに見付けるよう関心を持って自分が住んでいる地域に関心を持ち考え続けていけるようにしたい。

・「電車の本数を増やしてほしい」というテーマであったが、それはたくさんの人たちがかかわる問題なので、地域だけでは解決できないなと思った。そのため、このテーマは請願書のテーマとして適切では無いとも思った。

・このような活動を通して、もっと地域の課題に対する様々な視点を育てたい。

・請願してどのくらいそれがかなうものなのか、また、かなえてくれるための基準などを教えてほしい。

・地域が抱える問題でもなかなか実行してくれないことも数多くある。みんな心の中で思っているだけで声を上げていかないといけないと思うのでまずは声を上げることからはじめたいと感じました。  

・本当に改善したい問題ができたときには、今回の経験を生かして請願書を書いてみようと思う。  

〇請願書から  

・「私たちの町の休耕田の有効利用」:自分たちの土地には休耕田が多いのでそれを利用価値のある土地に変えてはどうか。

・「街灯の数を増やす」:自分たちの町には歩道や道路で街灯が少ないところに街灯を多く設置してほしい。通学の際に暗くてあたりが見えず危険であり、不審者情報が多いので心配。

・「スポーツ公園の無償化」:現在い使用するのに料金がかかるのですが、誰もが気軽に利用できる公園にするために無償化を求めます。子どもが気軽に遊べる広々とした場所が現在減ってきています。その中、敷地の広いスポーツ公園が無償化になることによってたくさんの人が利用できる場になると思います。

・「バスの本数を増やす」:私たちが住んでいるところは、過疎地域で高齢者が多いにもかかわらず、高齢者は車の免許の返納をしたのに、バスの本数が少ないのは不便に思います。よって、○○市でバスの本数を増やすことを請願します。

 ・「公衆電話の数を増やす」:公衆電話の数が少なくなっており、災害時に便利なので数を増やす事をお願いいたします。理由としては、災害時に便利なことや携帯の充電がなくてもコイン一枚でできるためです。